エアコンから不思議な臭いを感じている方は多いのではないでしょうか。皆様のその不思議をこのページで解き明かしたいと思います。超常現象でもなんでもないので、理屈を追って考えれば納得できるものばかりです。辞書的にご利用いただければ幸いです。

生乾き臭、酸っぱい

モラクセラ菌の代謝物の臭いのこと（カビの臭いでは無い。カビ臭は後述する）。モラクセラ菌はたんぱく質を栄養にして増える。人間の汗、呼気などの体臭。ペットのフケ、ペットシートのオシッコ臭がする部屋はモラクセラ菌は大好きである。掃除が行き届いていない部屋、生活臭が強い部屋というのはモラクセラ菌の栄養源が多く、あっという間にエアコンが酸っぱくなる。何故ならエアコンの中にモラクセラ菌が取り込まれ、なお且つ冷房期間中のエアコン内部は常に濡れているので、菌が爆発的に増えるからである。初夏に購入したエアコンが秋口に酸っぱいという話も全然珍しくない。
洗濯物を部屋干しする部屋もモラクセラ菌が多くなる。洗濯物の生乾き臭も原因はモラクセラ菌。
この臭いはエアコンの設定温度、その日の気温、湿度で出たり出なかったりする。理由はエアコンの設定温度が高いと匂うのは何故か？をご参照されたし。

甘酸っぱい

アロマオイル、香水などの芳香成分が取り込まれ、エアコンの中で酸化した臭い。香り強めの洗濯洗剤、柔軟剤を使った洗濯物を部屋干しする部屋でも多い。料理油煙も酸化すれば酸っぱくなる。

甘い

先ほどの甘酸っぱい臭いとは別で酸味は感じない。ホットケーキに近い甘さ。ケーキを焼いたり、パンを作ったりしていると自然とそういう臭いに染まると思われる。

ドブ臭、排水溝、腐った土、古くなった植木鉢、苔の生えた土の臭い

これは黒カビの臭い。吹き出し口や、送風ファンがカビだらけのエアコンは点けていないのに下に立つだけでカビの臭いがすることがある。（内部が湿っている冷房期間は特に）
黒カビというのは土の中に一番多く存在するらしいので、これらの臭いと近いのも納得できる。変わったところでは鉛筆の芯を削った臭いとも似ている。炭素と関係があるのか？これは私もまだ調べがついていない。

玉ねぎ

LDKで良くある臭い。スパイシーさを感じる。お客様のほうからそう表現されることも過去にあった。いわゆる料理臭。玉ねぎの臭いが直接溜まっている訳ではないと思うが、時にそういう臭いになる組み合わせがあるのだと思う。

エアコン本体の臭い

プラスティックの臭い、金属の臭い、アルミフィンの表面コーティングの臭いなど。プラスティックはエアコンでなくても新品の何かを購入して梱包箱を開けた時に感じると思う。エアコンにはアルミニウム、鉄、銅などが使われている。アルミフィンの表面には各メーカーが工夫を凝らしたコーティングが施してある。それらが微妙に結露水に溶けだして匂うこともある。

その他

ここまでで分かる通り、エアコンから出る臭いというのは部屋の環境次第である。（エアコンは部屋の空気を循環させているから。外の空気を取り込んでいるのではない）
よって喫煙部屋ではタバコの臭いがするし、お仏壇がある部屋ではお線香の臭いが、ペットがいれば動物の臭いがする様になる。
一般家庭のエアコンで臭いを感じるとすれば、大方どれかに該当すると思うが、実際には色々な原因が混じり合っていることも多いので、もっと複雑な臭いを感じる時もある。
そして個人的な習慣がある部屋、趣味に凝っている部屋ではまた違った臭いがする。スキー板にワックスを掛ける、マニキュアをいつも塗る、レザークラフトをするなど特有の臭いがする様になる。
また、新築では生活臭はまだないので建材の臭いがする。壁紙の糊の臭い。畳の臭い。木の臭い。カーテンや絨毯などの新品の繊維類の臭いが出てくる時もある。

腐敗臭

分解中、配管穴から腐敗臭が漂ってきたことが２、３回ある。建物の内壁と外壁の間に小動物が入り込んで死んでしまったのではないか。小動物…ネズミ、コウモリあたりは可能性が高い。棲み処になっていることも少なくない。
配管穴の詳しい解説はエアコンから虫のページまで。

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