背抜き完全分解クリーニングとは、エアコンクリーニングの最上級手法です
皆さま、こんにちは。
本日は富士通のお掃除機能付きエアコン、ノクリアを一番キレイにできる、背抜き完全分解クリーニングを解説していきます。

一番最初は動作確認から。基本中の基本です
機械を触る前に必ず行います。クリーニングご依頼の際にはリモコンが必要になります。
風量、温度、風向き調整、昇降パネルの上下動、異音の有無等を見ています。
お客様は毎日使っている機械なので、不具合が出ていることに気づいていないことも多いです。
風が物凄く弱くなっているとか、音がおかしくなっているとか、風向き調整が動いていないとか、部品が割れているとか、色々あります。
もちろん自動お掃除機構の動きも見ます。お掃除機能が動かなくなっていることもあります。
ちなみにノクリアのお掃除機能、早い機械で15分、遅い機械だと20分以上掛かります。
ですので、お部屋に入ったら真っ先にリモコンでスイッチを入れて動かしながら、養生を広げたり、脚立や道具を運び入れたり、時間を効率的に使いつつ行います。
それでも大抵の場合、まだお掃除機能は動いているので、しばし機械の前で仁王立ち。
つっ立ったまま何してるんだろう?とお客様から思われているもしれません。(^-^;
そんな時、目と耳はずうっと機械の動きを追っています。TV等の音量が大きい時は少しの間だけボリュームを絞らせていただくこともございます。(モーターや風向き調整時の動作音を聞きたいので。)
この動作確認中に問診させていただいたりもしています。過去のクリーニグ歴や、ご依頼に至った使用上のご不便を伺ったり。
動作確認が終わったら、分解を始めます。
▶フロントパネルを外します。

▶サイドカバー外します。

なお、フロントパネルの昇降機能が無いノクリアであれば、サイドカバーを外すところまでは動作確認しながら進めてしまいます。
昇降機能があるノクリアはパネルの動作に不具合が出ていることが多いので、動作確認が終わるまで手を触れることが出来ません。
下面パネルだけ外せます。(画像無し)
▶次に電装基板を外します。

▶お掃除メカユニット外します。全体がフィルターを動かす機構になっています。

▶こちらがフィルターとダストボックス。お掃除機構の中に納まっています。これはお客様ご自身で外すことが出来ます。

▶と言いますか、定期的に外してダストボックスの中に溜まったホコリを取り出さないとこうなります。溢れ出し注意報です。

▶ホコリはダストボックスに溜まりますが、フィルターを汚すのはホコリだけではありません。洗剤での洗浄が不可欠です。

改めて、お掃除機能とは何なのか?要らないと言うご意見も多数あるのですが、私的に1000台以上のお掃除エアコンと出会って来た経験から、考えをまとめた記事がございますので、宜しければご覧くださいませ。
➡その②
ここからが背抜き完全分解です。背抜き工法でないと落とせない汚れを紹介していきます。
▶お掃除メカユニットまで外した本体側には、ドレンパンや、送風ファンユニットが残っています。(99%の業者さんはこの分解状態で洗浄しています)

▶背抜きというのは、これらを丸ごと背面側から抜き去ることを言います。

▶そして壁側にはアルミフィンだけが残り、これ以上は分解出来る部品がないので完全分解。合わせて背抜き完全分解と言います。(アルミフィンは、後ほど解説します)

▶外したドレンパンの内部は、雑菌と結露水が混じってヘドロ化しています。

▶後ろ側のドレンパンの中にはオモチャあり。スーパーボールとか、輪ゴムとか良く出てきます。(´∀`*)ホノボノといったところですが、場合によっては故障の原因になるのでお気を付け・・・といってもお子様のことですから仕方無いですかね💦

▶送風ファン、カビだらけです。

▶送風ファンがそうであれば、もちろん送風路もカビだらけになります。

▶ところで、この送風路のカビは分解しなくても見えるので、吹き出し口からキレイにしようとするユーザーさんが大勢おられます。

▶でも、見えているのは、ほんの一部で、奥までは届かないです。

▶送風ファンがあるので、棒なども奥までは届かないです。頑張ってこれくらいです。

▶それにエアコンは送風路だけ汚れる訳ではありません。送風ファンを壊してしまったエアコンにも沢山出会ってきました。

▶背抜き完全分解ならば、ドレンパンの中もピカピカです。

▶オモチャも取り出せますねw

▶送風路だってご覧の通りです。

▶送風ファンも高圧洗浄してピカピカです。

▶送風ファンを高圧洗浄した後に塩素消毒しています。どうも富士通のファンは、高圧洗浄しただけではカビの臭いが消しきれない印象です。樹脂の組成が粗くて、染み込み易いのかもしれません。

▶それではアルミフィンのほうに戻ります。ホコリとカビが全体を覆っています。

▶ドレンパンとの接触部にはドロ~っとヘドロが。

▶内側もこんなにカビてます。

▶おっと、もう一つ外す部品がありました。天井にはこんな蓋があります。空気の流れを調整する整流板です。

▶これも無いほうが良く洗えるようになるので外します。これが無いだけでも、アルミフィンの回復度がかなり違います。完全分解じゃなくても外せる部品ですが、外してない人多いです。

▶白じゃなくて黒の時代もありました。こちらの方が固定ワイヤーが多くて少し面倒です。(^-^;

▶ここまで来たら養生して洗剤を掛け、高圧洗浄します。

▶表側も、

▶内側もスッキリです。

▶画像には撮れませんが、表でも内でもない、内部の洗い方が大切です。アルミフィンの高圧洗浄にも色々なノウハウがあります。何故ならアルミフィンはこんなに分厚いから。

アルミフィンの洗い方についての関連記事です。
➡アルミフィンの洗い方で大切なこと、臭いが消えるかどうかはコレに掛かっています
▶先ほど、内側がカビている画像がありましたが、あれは使用上、自然とカビが生えた例。それとは別に、完全分解以外のクリーニングをすると、作業の不確実さの影響で、元々汚れてなかったアルミフィンが、こんな風になってしまうことがあります。

この2枚の画像は別々のエアコンですが、どちらも一年前に別の業者さんが洗ったもの。コレに関する記事はこちらです➡送風ファンの洗い方で一番大切なことって何?

▶そのエアコンを当店で高圧洗浄した汚水。全部で100ℓです。

一年で100ℓ分も汚れが溜まるものではありません。今までのクリーニングでは汚れが落とし切れておらず、ずうっと溜まり続けていたからです。

エアコンクリーニングには分解の技術と、洗浄の技術、両方が必用です。

▶背抜き完全分解クリーニングのみで行える、アルミフィンの裏打ち高圧洗浄です。表側からだけでなく、内側からも高圧水を当てることで上の画像の汚れを極限まで洗い流すことが出来ます。
▶ざーっと紹介してきましたが、ノクリアの背抜き完全分解クリーニングで外した部品を並べるとこんな感じです。

ノクリアXの場合
▶サイドファン付きのノクリアエックスの時は更に部品が増えます。

▶これも分解してクリーニングします。

▶ノクリアエックスはサイドファンからホコリが飛んで来るトラブルが多いのです。ご依頼のきっかけになるケースがとても多いですね。
![IMG_6996[1]](https://worldcleaner.jp/blog/wp-content/uploads/2018/05/IMG_69961.jpg)
▶しっかり洗います。サイドファンの中身を分解しない業者さん、少なくないみたいですよ。

こちら、サイドファンに関する詳細記事です➡ノクリアXのサイドファンについて
洗浄が終わったら組み立てて、動作確認
▶全ての部品の洗浄が終わったら、元通りに組み立てて、最初と同じ項目を動作確認します。異常がなければオッケーですね。

▶作業中の様子をご覧になられていなかった場合には、クリーニング後の爽やかAirを浴びながら、お写真で汚れ具合のご説明。今後の使い方の注意ポイントなどもお伝えして終了です。
あ、最後にお会計お願いいたします(*´艸`*)
ところでですが、分解深度別、クリーニング率(落とせる汚れ率)の違いは?
今、市場で行われているノクリアのクリーニングには主に3パターンありますが、汚れの落とせる度合を%で表すと、こんな感じになります。
皆様が見つけた業者さんが載せている写真がどれに該当するか?、確認してみてくださいね。
①お掃除メカユニットを外さずに高圧洗浄。 クリーニング率 マイナス15%~5%

なんと、ビックリのマイナススタートです。何故ならこの状態では掛けた洗剤も流しきれないからです。高圧洗浄機を使うメリットを全く発揮できません。悪徳と言えるレベルですが想像以上に存在します。
②お掃除メカユニットは外す。ドレンパンユニットは外さない。 クリーニング率50%~70%

これは大手さんから、個人店まで最も普及している手法です。ドレンパンの内部とアルミフィンの内側を洗うことが出来ません。9割がたの業者さんはこれです。
③そして、背抜き完全分解です。 クリーニング率95%~98%

内容については、ここまで書いて来た通りですが、100%と言いきれないのは一度使った物である以上、やはり新品とは違うとご理解ください。
ただ、ココでの注目ポイントは、下限が95%と、かなり持ち上がることです。
なお、率に幅が生じるのは、同じ分解手法の中でも、それ以外に影響を受ける要素があるからです。高圧洗浄機と洗浄ガンの種類、洗浄時のガンのコントロール術の違い等になります。
分解深度の影響度が一番大きいことだけは疑いようのない事実ではありますが。。。
それと、皆様がどれ位汚れた段階でクリーニングを頼まれるか?によっても影響を受けますこと、お知り置き下さいませ。
最後に背抜きしないと洗えない所を具体的にお知らせいたします。
当社の背抜き完全分解クリーニングではこんなメリットもあります
▶当社では組み立ての時、送風ファンを支えている軸受にグリスアップしています。

▶このチビっこい部品が、ここにはまっていて・・・

▶その穴に送風ファンのシャフト軸が・・・

▶このように納まっています。

▶長年の使用でここのグリスが乾いたり、流れ落ちてしまったりすると、キュルキュルと音が出るようになってしまいます。そうなると、うるさくてイライラが積もります。
もしも、ここのグリス切れが原因でキュルキュル音が出たとき、それを修理するだけで15,000円くらい掛かってしまいますが、当社ではクリーニングの料金にグリスアップの分も含めて行います。
今現在、音が出ていなくても、今後の為にグリスアップしておけば安心、一石二鳥なのであります。
作業的にはここまでくると、クリーニングの枠を超えてオーバーホールの領域です。
当社の料金設定、我ながら恐縮ではございますがが、かなりお安いかと。そこに更にお得感が上乗せされています。
もちろん、何をお得と感じるかは人それぞれですが、見かけ上の料金で高い・安いというご判断にはちょっと待って!と言わせていただきたいと思います。
エアコンクリーニングも中身が大切です。
皆さまのお住まいにもコストパフォーマンス抜群のクリーニングをお届けいたします。
それではまた、よろしくお願いいたします。(^_^)/
富士通ノクリアの背抜き完全分解クリーニングのご料金は、30,000円になります。ノクリアXは37,400円です。
※基本構造変更後の第二世代ノクリアについて
➡富士通ノクリア 【第二世代】の背抜き完全分解クリーニング
当店は店長坂井が一台づつ、想いを込めてクリーニングさせていただきます。他メーカーや、ご依頼への全体的な事柄は下記のページをご覧ください。
| プレミアムプラン | ▶背抜き完全分解クリーニング |
| ハイグレードプラン | ▶送風ファン分解クリーニング |
| スタンダードプラン | ▶ドレンパン分解クリーニング |
エアコンクリーニングを頼む時に読んで欲しい記事7選
1.エアコンクリーニング業者の選び方
2.ドレンパンを外して洗ったエアコンと、外さずに洗ったエアコンはどれくらい違うのか?見てみましょう
3.アルミフィン(熱交換器)の洗い方で大切なこと。臭いが消えるかどうかはアルミフィン次第です
4.送風ファンの洗い方で一番大切なことって何?
5.DIYでクリーニングしたエアコン、キレイになっているのか?分解してみました
6.エアコンの防カビコーティングって意味あるの?
7.エアコンの室外機のクリーニングって必要なの?