アク洗いと、木の解説です

 

皆さま、こんにちは。ワールドクリーナー坂井でございます。

日頃、和室のアク洗いの仕事をしていると、仕上がりをご確認していただく際に、これは、もっとこうならないんですか?と言ったご質問やご指摘を頂くことがございますので、今回はそれについてご説明申し上げ、回答とさせていただきたいと思います。

アク洗いは無垢の木材が日やけしたり、汚れが付いて見た目が悪くなったものを、洗って、漂白し、色合いを戻す作業ですが、元々の木の性質、個性を超えて変化をもたらすことは出来ません。

同じ和室の中でも、様々な樹種… 又は、同じ樹種でも、一本の木の中から色々な部位が使われています。

経年での色変化は、それぞれ違いが生まれます。 例えばこちら。 長押と鴨居の色が全然違います。

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これは木の種類が違うことで起ったパターン。 そんな時、もちろん同じ色で揃えたいので、アク洗いでは、薬品の調合を変えて、夫々の部位に違う工程をあてがいます。 上手くいけばこんな感じ。ほぼ同じ色合いで揃いましたが、これもケースバイケースで、ここまでは揃わない場合もございます。

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和室一間の中で様々な樹種。 こちらが分かりやすいですかね。 3種類です 。木目が全然違いますね。

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それと、同じ樹種でも天然物なので、切り出した部位が変われば、色合いもそれぞれです。 二本の柱は同じ樹種で、共に柾目で揃えてますが、黒みが強い、赤みが強いの違いが出ています。 これは、この木が育つ中で培った元々の個性なので、これを赤みで揃えるとかのオーダーは無理です。オリジナルの個性はそのままに、全体的にキレイに戻してあげる作業になります。

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それと同じく、こういうのも、その木の中のそういう部位を使った結果なので、もっとキレイにならないんですか?と無茶振りされても困ります。 これは、辺材と心材の境目を使った結果で、新築時からそのままです。

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木はこのように、周辺部と、中心部では色が違うのです。これを材木として扱う時に辺材、心材と言う呼び方をします。

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最近は和室が少ないですから、木の用語ってあまり触れる機会が無いですよね。 先に出て来た言葉、辺材と心材。柾目と板目。 それから木目と杢目の違いなんかを知っていくと、天然木への愛着が沸いてきますね。 おお~、この柱、四方柾じゃないですか…とか。 いやぁ、キレイな鳥眼杢ですね~とか。

興味のある方は、ググって調べてみてください。

それでは、また、よろしくお願いいたします(^_^)/

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和室の白木アク洗い