2020、自動お掃除機能付きエアコンってどうなの? その②

 

皆さま、こんにちは。ワールドクリーナー坂井でございます。

前回からの続きです。

【自動お掃除機能付きエアコンってどうなの?2020年バージョン その②】 でございます。

前回はフィルターのメンテナンスという観点から、お掃除エアコンが有効なのか?買う意味があるのか?についてお話しさせていただきましたが如何でしたでしょうか。

賛否両論おありかと思いますが、私が今までに拝見してきた数千台のエアコンの状態からたどり着いた一つ目の結論となっております。➡前回の記事はこちら

それで第二回目の今回。自動お掃除機能付きエアコンはフィルターのお掃除機能以外にも通常タイプのエアコンとは違うところがありますよ!ということをお話ししたいと思います。

先ずは結論を申し上げてしまいます。

その違う所と言うのは、メリットになります。つまり、お掃除機能付きエアコンの方が優れているという内容です。

そのメリットとは何か?。ずばり、お掃除機能付きエアコンの方が傷みにくい。

どこが傷みにくいのか?と申しますと、室内機の最も大切な部品でありますアルミフィン(熱交換器)です。

とどのつまり、フィルターの自動お掃除機能とは関係の無い所でございますが、お掃除機能が付いているような高級グレードのエアコンには、他の部位にも良い部品が採用されていることが多いのです。

その最も顕著な部品がアルミフィンなのです。

ご説明申し上げるのに、分かり易い例として富士通ゼネラルさんのノクリアに登場してもらいましょう。

このホムペでは、各メーカーを代表してご説明するのに富士通が良く登場します。たまたまと言えなくもありませんが、最も数多くクリーニングしているお掃除機能付きエアコンが富士通ノクリアだから、ということも関係しております。

こちらのアルミフィン。アルミは本来は銀色のはずですが紫色です。アルミの上にチタンアパタイト処理を施してあるからです。

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チタンアパタイト処理と言うのは表面に付着した雑菌を分解する為の技術です。それによりアルミフィンの表面をキレイに保つのが目的です。

だからといって全く汚れない、ということではなく、なるべく汚れにくくする為の予防処理とお考え下さい。

それで、ノクリアは既に10年以上の歴史がありますので、9年目、10年目で初めてのクリーニング、なんて機械にも沢山出会ってきました。

流石に10年間使い続けたエアコンの汚れ具合は凄まじく、私が使う表現の中で申し上げれば、究極レベルの汚れに達している機械が沢山あります。

特にノクリアのようなエアコンはリビングに設置されているパターンが殆どなので、キッチンから吸い寄せた油煙が入り込んで特段に汚れが進みます。

油というのは古くなると酸化して金属に対する腐食作用が高まりす。

ところが、この紫色のアルミフィンはそんな汚れ具合でも、洗浄してみると意外なほど艶々しています。

もちろん傷んではいるのですが、ノクリア以外の同社のエアコンと比べると軽傷で済んでいます。

チタンは金属の中でも安定している(=化学変化が起きずらい)物質で、アルミや鉄、さらには錆び難くする目的で作ったステンレス合金などよりも安定しています。

ですのでチタンでコーティングされたアルミフィンが傷みずらいのは納得の結果ではあります。

2年目、3年目くらいでのクリーニングでは、その差はそれほど感じませんが、9年目、10年目の機械をクリーニングすると差が分かります。

こういう類の仕様の差が研究室での実験でなく、フィールドで感じることが出来るということは相当優秀なものと判断して良いと思っています。

ところが、性能は良くてもチタンは価格が高いのが難点です。

それを実感できる身の回り品として腕時計があります。デザイン、中身が同じ時計でも、外装をステンレスからチタンに変えたモデルは数万円は高くなります。30万円の時計が36万円になるようなイメージです。

理由は金属自体の希少性が高いこと。それから加工が難しいことが挙げられます。

そんなチタンですから、エアコンに採用するにしても廉価シリーズへの採用は難しく、必然的に高級機、つまり自動お掃除機能が付いているようなシリーズに搭載することになります。

その辺りのことは、富士通以外のメーカーも同様で、お掃除機能が搭載されているシリーズのアルミフィンには何かしら廉価シリーズとは違う工夫が凝らされています。

また、今回は最も分かり易いアルミフィンを取り上げましたが、メーカーによってはその他の送風ファンや通風路にも素材の工夫、コーティングの工夫が凝らしてあります。

カタログ上の宣伝文句になっているだけでなく、実際のご家庭でも効果が感じられる。お掃除機能付きエアコンにはそんな良い所もあるんです、と言うのがここ数年での私の実感です。

前回のフィルターのメンテナンスの件と、今回の件を合わせて考えると、なんだかんだ言っても、お掃除機能が付いているエアコンの方が相応しいご家庭は少なくないのでは?と思えなくもありません。

自動お掃除機能付きエアコンが一番罪深いのは、発売当初にあるメーカーが【10年間お掃除不要】というキャッチフレーズを大々的にアピールして、ユーザーの皆さまに大きな誤解を与えてしまったことです。この部分は謝罪があっても良いのでは?と思えるほどの罪があると思います。

それ以外はネット上で囁かれているほど悪い機械ではないかもしれません。

合っている人には合っているし、合わない人には合わない・・・。

自動お掃除付きエアコンと通常エアコン、どちらが良いのかは皆さまのライフスタイル次第というところでしょうか。

2020、自動お掃除機能付きエアコンってどうなの? 以上で締めくくりとさせていただきます。

それでは、また、・・・

あ、そうです。これを最後にお伝え申し上げます。

例に挙げた富士通ノクリアですが、チタンアパタイト処理の採用は2010年モデルが最後でした。

2011年以降は、また違うアルミフィンの表面処理方法を導入しています。もちろん廉価シリーズとは違う処理を施しています。

この様に色は普通のアルミの色になっています。

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後年、もっと良い技術が開発されたのか?

そう思いたいところですが、私的にはやはりチタンアパタイトはコストが掛かり過ぎて販売価格が上がってしまうから、というのが理由だったのでは?と想像しています。

洗い比べてみると、現行モデルよりも紫色の頃の方が傷みが少ないように思えるからです。

もちろん、アルミフィンは傷み難さが最重要項目という訳ではなく、熱交換性能(どれくらい冷やせるか?、又は温まるか?)や、親水性能(水切れの良さ)も大切な項目ですので、それぞれのバランスを取り直す為に変更したのかもしれません。

定かな所は分かりませんが、個人的には残念に思える変更でした。

それではまた、よろしくお願いいたします。(^_^)/

当店では三つの手法でエアコンクリーニングをご提供しております。店長坂井が一台づつ、想いを込めてクリーニングさせていただきます。ご料金など詳細は各々のページをご覧くださいませ。

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