皆さま、こんにちは。ワールドクリーナー坂井でございます。
本日は富士通ノクリア AS-Z71B2 2012年モデルのクリーニングですが、ノクリアに限らず、パナソニックのエアコンにも共通する大切なことをお知らせいたします。
ノクリアの構造はそれをお伝えするのに丁度よい題材となってくれます。
それでは富士通さんに全メーカーを代表していただき、見ていきましょう。
先ずはこちらの画像。お客様がご自分で何とかしようと送風口から棒を差し込んで頑張ったラインが出来ています。残念ながら奥までは届きません。ですが、これはかなり頑張ったほうです。今まで見てきた機械ではもっと手前側にラインが出来ていました。
参考までに手を思いっきり突っ込んでみると、届くのはこれくらいまで。「何だ、もう少しで奥まで届きそうじゃない」と思われた方いらっしゃいますか?。ところが、そうは問屋が卸さないんです。この画像では中央のルーバーを外しているので、奥まで手が入るようになっています。
そして、分解していない状態では、このように送風ファンがあるので、こんなに奥までは手は入らないのです。ですので、棒などを使っても、先の画像の様に頑張りラインができるのです。また、今回は大丈夫でしたが、頑張りすぎて壊れてしまったエアコンを何台も見てきています。ファンやルーバーは想定外の方向から力が加わると、意外と簡単に割れます。ルーバーを動かしているモーターの位置認識が狂ってしまうこともあります。送風口が開きっぱなしになったり、フロントパネルの上下動とのシンクロが取れなくなり、ルーバーとぶつかるようになったりします。皆さまも無理しないでくださいね。しつこいようですが、どのメーカー、どのエアコンでも、奥までは届かないのです。
その送風ファンにもカビがビッシリ生えています。ここも頑張ったそうですが、さすがに途中で諦めたそうです。カビは湾曲した羽の内側に生えますから拭きずらいですし、ブラシなども密着しません。手作業では無数にある羽の全てをキレイにすることは不可能です。下手に触ると中途半端に剥がれかかったカビの塊が風に乗って飛んでくるようになります。事実、今回クリーニング前に動作確認した際も飛んできました。
そして、分解しなければ見ることが出来ないドレンパンの内部はピンクスライムでヌルヌル。
カビとホコリも。
本体側もファンの丸い形状に沿ってカビが生えています。
反対側もまた同様です。
アルミフィンはホコリだらけ。もちろんカビも生えています。
これらの画像の様に、送風口からカビが見えるエアコンというのは、内部の奥深くまで同じようにカビが蔓延しています。
今回のお客様は臭いが酷くてご自分で頑張ったとのことですが、その甲斐なく、臭いは改善されずにご依頼いただく運びとなったそうです。
分解したエアコンを見てみれば、改善しないのは納得できますね。
また、臭いだけでなく、ここまで汚れが進むとアルミフィンの空気抵抗が増し、風量が低下します。
毎日使っておられるお客様はだんだんと風量が下がっていくので、その事実に気付いておられません。
クリーニング後の風の強さに驚くことになります。
今回もクリーニング前の強風と、クリーニング後の弱風が同じくらいの風量でした。
熱交換効率も回復するので、電気代がかなり変わるはずです。
ここからはクリーニング後です。ズラッと画像を並べておきます。
今回の洗い流しは70リッター。年に数台出会うかどうかの究極レベルの汚れ具合でした。当社の場合、洗い流しを一定量で打ち切ることはせず、汚れ具合に応じて納得できるまで、これ以上はどんなに流しても変わらない、というところまで行います。
ちなみに適正なタイミングでクリーニングした場合は20~25リッター程でキレイになります。今回はそれよりも50リッター多く流したわけですが、それでもクリーニング率には僅かながら違いが出ます。もちろん適正なタイミングで行った方がクリーニング率は稼げます。
また、汚れ過ぎたエアコンは各部の劣化を加速させ、寿命にも影響しますので、エアコンクリーニングは適正なタイミングで定期的に行うことが肝要です。
適正なタイミングにつきましてはエアコンクリーニングは込み合う前がおススメですをご参照ください。
それでは、また、よろしくお願いいたします。(^_^)/
【追記です】
最近、たて続けにご質問をいただいたことを思い出しました。
「市販のエアコン洗浄剤ってどうなんですか?」と。
ここまで分解した上で20リッターとか、70リッターの洗い流しを行っている事実が市販の洗浄剤が如何に意味の無い物であるかを物語っています。
昔から売っているスプレーでプシューッとやる商品はもちろん、ムース洗剤とリンス剤の2缶セットの物も同じです。洗い流しに使うリンス剤の量は何リットル入っていますか?何リットルどころか、単位が1/1000のミリリットルです。
それだけお伝えすればじゅうぶんだと思います。
お客様の失敗談に関する記事を二つ貼っておきます。
意味が無いどころか、逆効果であることがお分かりいただけると思います。お二方とも、使ったうえで結局クリーニングを頼むことになったわけです。
一番の問題点は中に取り残された汚れと洗剤が、後にドレンパンの中でグチョグチョになってカビを余計に増殖させ、機械を傷めることです。
説明書きをみると、結露水と一緒に外へ排出されます。みたいなことが書いてありますが、実際はチョロチョロと流れ出る結露水の勢いで排出されるような甘いものではありません。
中には市販洗剤を使い続けた機械のクリーニングはお断りしている業者さんもおられます。
私もその意味は理解できます。経過年数に対して、劣化の進み具合があまりにも早く、分解、組み立てにも耐えられないのでは?洗ったとしても救いようがないのでは?これはもう寿命だよね?と思える機械に出会ったことがあるからです。
当店では三つの手法でエアコンクリーニングをご提供しております。店長坂井が一台づつ、想いを込めてクリーニングさせていただきます。ご料金など詳細は各々のページをご覧くださいませ。
プレミアムプラン | ▶背抜き完全分解クリーニング |
ハイグレードプラン | ▶送風ファン分解クリーニング |
スタンダードプラン | ▶ドレンパン分解 お掃除機能付き |
エアコンクリーニングを頼む時に読んで欲しい記事8選
1.エアコンクリーニング手法による違い、真実を語ります。業者でも分かっていない人が・・・
2.エアコンクリーニング業者の選び方
3.ドレンパンを外して洗ったエアコンと、外さずに洗ったエアコンはどれくらい違うのか?見てみましょう
4.アルミフィン(熱交換器)の洗い方で大切なこと。臭いが消えるかどうかはアルミフィン次第です
5.送風ファンの洗い方で一番大切なことって何?
6.DIYでクリーニングしたエアコン、キレイになっているのか?分解してみました
7.エアコンの防カビコーティングって意味あるの?
8.エアコンの室外機のクリーニングって必要なの?